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状態を調査する。
2)寸法計測
ライナの内径、クランク軸のピン部及びジャーナル部の径、各メタルの内径など重要部品の主要寸法を計測記録し、整備基準に基づき使用の可否を判断する
(注)分解した部品の寸法計測に使用するマイクロメータやシリンダゲージ、機関の組立時に使用するトルクレンチ、運転性能の確認に使用する回転計、温度計、圧力計等、整備時並びに運転時に必要な計測器及び計測工具については、第4章に記したので参照されたい。
3)亀裂の検査
目視検査で発見できなくても、シリンダヘッドやピストンの燃焼面、クランク軸のピンやジャーナル付け根のR部等には、亀裂が発生している事がある。このような亀裂の発見には、カラーチェックや磁気探傷法等の非破壊検査により調査する。
?カラーチェック
洗浄液、浸透液、現像液の3種類の液を使用して亀裂を調査するもので、先ず
・調査する面に洗浄液を吹き付けて、油脂類など浸透液の浸透を妨げる付着物を除去する。
・表面が充分乾燥したならば、赤色の浸透液を吹き付けて10〜20分待つ。
・ウエスに洗浄液を着け浸透液を拭き取る。(洗浄液を直接吹き付けても良いが過ぎると亀裂に浸透した液が流れ出て亀裂が発見出来ない事が有るので注意すること。)
・現像液を良く攪拌した後、約30cm離したところより上下に振りながら生地の色が微かに残る程度に均一に吹き付ける。
表面が乾燥してしばらくすると傷が有れば赤色の浸透液がにじみ出てくる。
・検査が終わったならば、現像液を除去した後防錆処理を施す。
?磁気探傷試験(マグナフラックス)
クランク軸など磁化出来る部品に磁化電流を流して磁化させておき、磁粉をかけて亀裂を見つける方法で、微少な傷まで発見できる。磁化電流を流すと、流れと直角方向に磁束線が生じ、亀裂が有れば磁束線が通りにくくなり傷の部分で漏洩する。ここに軽油に溶かした磁粉をかければ、漏洩磁束に引きつけられて付着する。即ち亀裂の形となって現れる。
最近は通常、蛍光を当てると発光する蛍光磁粉を使用しているので、亀裂の発見が容易となっている。
尚検査終了後は必ず脱磁を行い完全に磁気を無くしておかなければならない。
4)硬度検査
クランク軸の軸受け部やピストンピンなどの焼き入れ部品は、焼き付いたり、異常に摩耗した場合には、硬度が低下することがある。硬度を調べるときよく使用するものに

 

 

 

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